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執筆者の写真將詞 橋本

賃金の考え方

全国農業新聞 令和2年6月26日付 寄稿記事


Q.弊社は、正規従業員5名、アルバイト15名にて農業経営しております。従業員も10年近いものから今年入社したものと、年齢は様々ですが、いわゆる上下関係ができてきました。

 今まで賃金は、私の独断で決定していたのですが、結婚している、子どもがいるなどと事情を考えると会社での上下関係にそぐわない賃金になりかけており、このままではいけないと思い始めました。どのように考えればいいでしょうか。



 

A.賃金の質問は、ここ数年本当に多くの農業経営者が迷われているところだと思います。現に賃金に関する相談は急激に増えています。その多くが質問者のように、今までは社長の頭の中だけで決めてきたものが、組織の中の上下関係、農業経験、年齢などに合致しないものになるケースです。

 例えば、18歳から自社におられ農業経験を積まれた25歳の方、農業に興味をもって他産業から農業界に初めて入られた38歳の方、それぞれどのように賃金を決めるでしょうか。非常に難しいところです。


 まずそこで最初に理解いただきたいのは、社長の考えはどうなのかということです。例えば、38歳で結婚し中学生の子どもがいる従業員を賃金として生活できる金額を保障しようと考えておられるのか、それとも仕事を覚えないとそこまでの賃金を支払えないと考えるのか。賃金は、非常に柔軟に設計することができます、ただ、社長の考えがしっかりとかたまっていないと従業員に提示できるような賃金制度を作ることは難しいのです。


 

 そして、賃金に対する社長の考えとして知っておいていただきことが何点かあります。

①賃金は、従業員が社会生活で一般的な生活ができる程度の水準であること。

②その従業員の業務が、健康上の危険度、必要な知識、技能などに見合ったものであること。

③会社の人件費支払い能力に応じたものであること。

④会社の付加価値を応分しているものであること。


 賃金は、会社にとってある意味コスト(経費)と考えてしまいますが、従業員にとっては生活のために必要不可欠であり、1日の大半の時間を費やす対価としてもらっているものです。どちらからの視点からということではなく、両面からみた考え方が必要です。




 

*先日、京都府相楽郡和束町に行ってきました。

知る人ぞ知る 茶源郷。


山間に、きれいに整備されたお茶畑。


すごいねぇ~~。。


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