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執筆者の写真將詞 橋本

農業 と手伝いと労災


全国農業新聞 平成30年6月29日寄稿記事


農家にいわゆる「手伝い」として来られている方が、労働者であるならば、当然のことながら労働基準法上の災害補償の対象となり、仕事してるときにケガしてしまった場合など、法的にも保護される。これが労働者でないとなるとどうなるか。前回の話のとおり、労働者でなければ、補償の対象から外れる。当然に、怪我をしたときだけ「労働者」ということがいえるはずなく、怪我の補償は誰がするのか、という問題になってしまう。私が社労士の視点で農業を観たときに最初に感じた「農業に対して社労士としてすべきこと」でした。


 農作業中の死亡事故は毎年のように400名近くを推移しています。(今は、300人弱に減ってますが)これから次代を担う農業者として、非農家からの就農が増えていく、また増やしていかないと今の農業は維持できません。雇用するに際し、経営者の安全に対する意識はもちろん、それ以上に、経営者であるという責任感を持つことが必要です。これから採用を考えられている農業経営者の方には、責任感の一つとして、農作業安全の確保ということを考えてもらいたいです。まずは、農作業中事故を防止すること、さらに万が一のために備えておくこと。ただ、備えるといっても労災に加入することだけで足りることではありません。


 

 農業においては、労働基準法第41条に該当し、労働時間の規定は適用除外となっていることは、すでにご存じのとおり。ただ、これを、労働者の時間管理が必要ないと捉えられる方も少なからずいます。法にかかわらず、労働時間の管理は、大きく次の3つのために必要です。「賃金計算のため」、「災害が業務上であるかどうか判断するため」、「作物の価格決定のため」。ちなみに、法的には、農業においても賃金台帳を整備する義務はあり、賃金台帳の記載項目に労働時間があり、その計算のために管理は必要となっている。



 賃金計算と価格決定はともかく、業務上かどうか判断するためとは、どういうことでしょうか。これは、加入した労災補償を実効性のあるものとするために大切なことです。

 労災認定は、業務起因性と業務遂行性を基に判断され、基本的には、就業時間内に発生したことが条件となってます。もし、時間の管理をしていない事業所で、日照時間が長くなった夕方に事故が起こった場合を考えるとして、毎日の農作業の終業時刻は17時30分と決めているが、今の時期、昼間は暑くてはかどらない農作業も陽が傾きかけた18時ぐらいがもっともはかどる時間となります。農作業の進捗具合によって18時になったり18時30分になったり。ただ、時間の管理はしてない。

 月給制であっても、賃金計算のために必要だがあえてそこには触れず、時間管理をしていないために、その事故が就業時間内なのか、終業時刻後なのか、客観的にはわかりにくくなってしまいます。しかも、時間管理もしていないとなると、労働者性すら問われることとなる。


 どのように就業時刻内であることを証明すればよいのでしょうか。毎日、時間管理をしていれば、終業時刻までは使用者の管理下にあり、終業時刻に達してないので業務上であることは推測できる、となります。



 人を雇用するにあたり、このようなことも知っておくべき必要です。他の産業であれば当然のことですが、農業は農業であるが故の事情のため他の産業とは違います、だから余計に経営者の責任として知っておくべきことがあります。



 農作業中の事故、労災、時間管理、雇用するに際して知っておくべきキーワードです。




 


 先日、本当に久しぶりに伊勢神宮にお詣り。


恥ずかしながら、この歳になってはじめて「外宮」⇒「内宮」とまいらせていただきました。(三重県内のお客様のところに行く前に、もちろん、軽トラで。。)


 御朱印ももちろん、頂戴しました。


やっぱええですね。。。 力いただきました。


 40代最後の数か月、今まで色んなこと自分なりに考えてきましたが、ここはちょっと絞って注力したい密かに考えています。




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