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執筆者の写真將詞 橋本

個人経営農家の労災加入(特別加入でなく)

 


全国農業新聞 令和2年7月24日付 寄稿記事


Q.両親と私で家族経営にて、促成栽培でトマトを作っています。収穫時期だけ同じ町内の奥様方に手伝いに来てもらっていますが、先月、ハウス内で気分を悪くされた方がおられ、熱中症かと帰宅してもらうことがありました。


 こういう場合は労災となるのでしょうか。



 A.いわゆる人を雇う、労働契約を結ぶとなると、その業務を遂行しており(業務遂行性)、その傷病が業務に起因するもの(業務起因性)であれば、業務上災害と判断されます。ですので、気持ち悪くなられた原因が何か(例えば、前日に家で食事されたものが原因など業務に起因する場合ばかりではありませんので、)にもよりますが、ハウス内の温度が高温状態で、いわゆる熱中症ということになると、業務起因性が高くなります。


 さて、業務上災害となれば労災となるのですが、今回の相談者は労災に加入されているでしょうか。そもそも、労災制度って誰のための制度かご存知でしょうか。


 農業にあっては、個人経営で常時5人未満の雇用しかない場合、労災加入が暫定任意加入という扱いになっています。つまり、入っても入らなくてもかまわないのです。忙しいときだけ来てもらっている方を、しっかりと「労働者」として認識している農業経営者はどれだけいるでしょうか。正社員だけが労働者ではありません。朝だけ手伝いにくる近所のおっちゃんも場合によっては労働者なのです。


 労働者となると何が生じるのか。業務上災害を起こってしまうと、労働基準法第75条以下の対象となります、「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な費用を負担しなければならない。(労基法第75条)」つまり、療養にかかる費用を負担する義務を負うことになります。ただ、同法第84条において、労災において給付がなされる場合はその補償の責めは免れると規定されているのです。



 労働者災害補償保険は、ケガなどしたときの補償の対象は労働者ですが、使用者がその責任を(その範囲で)免れることができる、使用者のための制度といえるのです。人を一人でも雇うと労災加入、意識しましょう。





 

*最近、メキメキと体重を落としています。そう、今年に入って、ご飯(は夜だけにして)とビールを断って、しかも朝に5000歩の散歩(土日は60分のサイクリング)。

 私が小さかった頃は、バス1台しか通れなかった小枝橋(上鳥羽と下鳥羽をつなげる橋・・南区と伏見区をつなげる橋・・・上鳥羽からこれを渡ると赤池、城南宮、鳥羽伏見の戦いの合戦場)、朝ってええですよね。。。最近、どんどん早起きになってきてます。





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