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  • 執筆者の写真將詞 橋本

家族経営における労務管理の注意点 ③


全国農業新聞 令和3年5月寄稿記事



前回は農業を継承するために技術の伝承が大事であり、「農家暦」をつけるという話をしました。これまでの農業経営は、子が「農業を継ぐ」ということが当然のように考えられていましたが、今はそういう時代ではありません。ですので、親子といえども託す側と継ぐ側では状況が違うということも知っておかなければなりません。



 さて、この記事はどのような立場の方が読んでいただいているのでしょうか。託す立場(親の立場)であれば、認識しておかないといけないことは、一昔前と時代が違っているということ、今に合わせる必要があるということです。とはいえ、すぐには託せないところは、経験と勘、技術です。小さなスマホで世界とつながることができ、あらゆる情報が手に入る世の中です。情報の量では若い方のほうが強いことは間違いありません。


 ただ、自然と向き合う農業は、単にマニュアル通りいかないところがあります。

 

 それを少しでも農家暦でというところです。その点は、継ぐ側(子の立場)からすると尊重しなければならないところです。経験だけは絶対に適いません。



 いくら情報を集めたとしても他産地の情報が、自分の産地で有効とは限りません。気温も風の具合も土の質も違います。昔の農業を教わり、時代を守ってきたという尊敬の念を忘れてはいけません。農業は、1年に1度の経験しかできません。積んだ年数と本気で向き合った気持ちが経験値を上げることになります。親から色んな話を聞きだすことも必要です。




 継ぐ側の心がけとともに、双方が歩み寄るもう一つの大きなことが、「働くことに対する考え方」です。社会環境が違っており、考え方が違って当たり前です。よく「若いときは・・・」という話をききますが、今と昔では大きく違います。休日の意味も違います、過ごし方も多様です。農業機械も発達しています、販売方法も違います。世代間で事業継承するタイミングは、働き方を大きく変える絶好の機会ともいえます。



 お互いが立場と状況を尊重しあって、働きやすい環境を家族間で話し合って決める、このことは他人を雇うことにもつながります。




 

 今日、地元の生産者のところをまわると、いつも野菜をくださるおばちゃんが、


「兄ちゃん、もうちょっとしたらマメ・・・できるわ」  ですと。 何ともうれしい。。



そう、タケノコが終わりに近づくと、待ち遠しいのが 豆・・・えんどう豆。


 母は、いつも「地の豆」と言いますが、地元の豆ほど美味しい豆はありません。それは上鳥羽の豆が特別美味しいという意味ではありません、「食べ慣れた味」だからです。


 地元のキャベツと豆、おあげと炊く。


  最高に贅沢な一品です。



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