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  • 執筆者の写真將詞 橋本

賃金制度について(農業労務Q&A ④)

全国農業新聞 令和元年7月26日付 寄稿記事


Q,従業員が増えてきました。給料について、これからどうしたらええんでしょうか。上げてあげたいけど、上げることを約束するのも怖い気がします。




 

A,非常に難しい問題です。賃金を考える場合、経営者が会社をどのようにしたいのか、それが大事です。規模を大きくしたいのであれば、それなりの人材を集めないといけません。となれば、しっかりと定着してくれる賃金制度を設計する必要があり、そこには人事評価制度も絡んできます。また、規模は現状維持で、地域に貢献できる生産者を増やしたいと、独立支援型の会社を目指すのであれば、賃金制度よりも研修プログラムをしっかりとしたものにして、数年後に独立(退職)という制度でかまわないでしょう。


つまり、


まずは会社としてどのような未来を描いているのか、


どのようなところに会社の社会的意義をもたせているのか、


賃金制度とはまったく違った話に思えますが、


結局はそこが一番大事なのです。


 そこをまずは理解していただき、このような考え方を紹介します。以前にある経営者がこんなことをいっておられました。


「たくさん給料が欲しい人は、長い時間働きたいと考える。会社に何年もいる人が多くもらえるように長い時間働いてもらう。」


これって、違和感ないでしょうか。


 確かに、長い時間働くことで給料は増えます。けど、時間だけが給料の増える尺度になってしまうと限界があります。10時間働いたとして、時給×10時間。24時間なら×24時間。向上心をもっている従業員であれば、「この会社で働いても最大これだけしかもらえない」と考えるはずです。となれば、その方にとって(お金だけで考えると)魅力がなくなってしまいかねません。いや、そんなことはないですよ、単価を上げますから。といっても、どのようにすれば上がるかわからない。となれば、頑張りようがありません。



 だから、人材の定着を目指すのであれば、昇給する仕組みが必要なのです。



 私はよく人事評価制度を走り高跳びに例えます。超えようとするバーがあるから跳べるのであって、バーがなければ跳べません。努力もできません。そのバーを設定するのが会社です。何のためにバーを跳ぶのか、それは賃金単価を上げるためです。労働法の基本は時間管理です。それは全ての人が平等にもっているものだから。となれば、個人の能力、技術、頑張りはどのように反映されるのか、それを会社が設定するバーとして示す。これが、昇給、昇格制度であり、人事評価制度となります。



 農業の場合、よくある人事評価制度では適いません。農作業が多岐にわたっており、現場の判断がものをいう状況が多々あるからです。だから必要なことは、作業の分解と会社内での職責の整備です。



 時給、月給・・・ありますが、その違いはまたの機会にお話しします。






*非常に懐かしい。。。小学生の頃から父の手伝いをしていた私は、今の5月6月はキャベツ出荷の最盛期でした。父が亡くなった後、1人で1日に1000ケース(パレット積みでなく、すべて手積み)を毎日運んでいました。今はもう体力的に無理やろなあぁ。。。トラックも対キャベツ使用でしたし。(笑)



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